「モノ」が「ヒト」を不幸にする場合

satesate1562006-05-07

 「モノ」は「ヒト」にどれだけの幸福をもたらすことができるのか
というテーマを掲げているが、「モノ」が「ヒト」を不幸にする場合もある。
 経済成長と豊かさを追い求めた現代社会にたいして、経済成長を続けようとする政策から生じる経済格差が日本でも社会問題化してきた。
 「モノ」や「カネ」を追い求める結果、「ヒト」や「とき」を失う人たちも多い。
 自分が使いきれる量を超えたとき、「モノ」や「カネ」は、自分を離れたところで動き出し、ヒトが必要以上のカネを手に入れたとき、それによって不幸に陥るヒトがいたりする。この問いはカール・マルクスが世に問い、多くの人々の共感を得てきた。

 自分の部屋を整理・整頓したときに、モノがあふれて、なんとかならないかと嘆くことがある。収まるべきところから出して、使ったら片付けるということをきちんとしていれば、問題はないのだが、使い道もないのに部屋に持ち込んだり、片付ける空間もないのに、購入してしまったりすれば、両手にモノを持ち、置き場所を探して部屋中をさまよい歩くことになってしまう。
 モノと幸福の関係は、ヒトひとりが扱える分のモノを自覚せずに扱うようになってしまった現代社会のテーマでもある。